子どもの場合も病気や事故による脳の損傷で高次脳機能障がいになることがあります。
症状は基本的に成人と同じですが、周囲の理解が得られず、「わがまま」「親のしつけが悪い」と誤解されやすい傾向があります。
また、子どもの場合は受傷・発症した年齢によって困り事や支援方法が異なります。発達段階に合わせた支援や学校生活への適応など、大人と違った視点と支援が必要になります。
その子ができることに着目し、家庭、学校、その他関係機関が連携して支援を行うことが大切です。
入院・通院していた病院のスタッフに相談してみてください。学校の中に相談窓口を設けているところもあります。
学校の先生や家族にもともとの学習状況を確認しながら、個別指導や補習の体制をとってもらえるかなどを学校側と話し合ってみましょう。
授業に集中できるように、教室での座席を前に移してもらうなどの提案も一つの方法です。
まだ疲れやすさが残ることを病院スタッフから学校側に説明してもらうこともできます。
授業に集中できないときや休息が必要なときには、保健室で体を休める等の配慮を受けられるか、話し合ってみましょう。
復学後も、本人・家族・医療機関・学校との情報交換の場を定期的に設定します。
学校生活を問題なく送れることが確認できたら、徐々に話し合いの頻度を減らしていきます。
学校や医療機関だけではサポートが十分にできない場合もあります。
家族会で同じ悩みを持つ人たちと交流の機会を持ったり、高次脳機能障がいに関する相談窓口に相談してみたりすることで、解決の糸口が見つかるかもしれません。
子どもの高次脳機能障がい支援は、学童期・思春期の成長過程における変化と、高次脳機能障がいによる影響を合わせて考えていく必要があります。
支援機関はそれぞれの立場から情報を提供し、お互いに情報交換を行いながら、本人にとってより良い学校生活が送れるよう協力して支援していくことが重要です。