2024.10.07
「日本高次脳機能障害友の会 第20回全国大会2024in福島」に参加してみての感想について、田村さんから感想をいただきましたので紹介させていただきます。
<地域支援拠点機関(気仙圏域)
地域活動支援センター星雲相談室 相談支援専門員 田村さん>
私の家族には小学生と保育園児がおりまして、普段からどのように伝えたら“誤解が少ないか”と頭を悩ませる日常です。私自身が福祉を志した時代の“障がい当事者(家族)”の描き方は、どこか可哀想な人と印象づける魅せ方が多く、それは今福祉職に就いて尚、根本的な修正の難しさを感じる日々です。
依頼には的外れな書き出しかもしれませんが、今回の全国大会への参加は、そうした根底に大きく影響を与えるものとなりました。
普及啓発はどの障がい(傷病名)にとってもおそらく恒久的なテーマです。
何故そうなのかと考えると、当事者・家族が心から受け止めてはいないからなのだと思うのです。
その背景にはそれぞれの事情やそれまでの人生における確かな足跡があるからなのだと日々実感します。
障がい受容や病識という言葉があります。
広く捉えると自分の困難さや生きづらさの原因が理解できているかどうか、、、ということになります。
この部分を深掘りすることが普及啓発の恒久性に行き付くのではないかと理解しました。
“諦めていない”と捉えるか、“自分自身を理解できていない”と捉えるかで大きな差が生まれますし、我々サポーターは納得できない想いや悔しさを少なからず抱いていることを前提として、多方面に思いを馳せながらかかわらせていただくことが大切ではないかと考える場でありました。
冒頭、突拍子もなく息子達の話題から始めましたが、当事者・家族に対して可哀想という感情を抱くには浅く、無事助かったと安堵で済ませるのは違うということを考えさせられた時間となりました。
「(ご本人さんとのかかわりにおいては)善悪ではなく、損得で考えることをお伝えするようにしています。」
「高次脳機能障がいが残る可能性があることをしっかりと当事者家族に伝えてほしい。」
「高次脳機能障がいは(個人差があるものの)必ず回復します。」
印象に残った言葉は書ききれませんが、2日間の中で日々の相談支援の振り返りができ、多くの学びがありました。
一緒に参加し、同じ時間を共有した全ての方々に感謝するとともに、使命感を新たに日々の業務に携わりたいと感じたところです。
追伸。岩手県の高次脳機能障がいに携わるコアメンバー(ピアサポーター、高次脳機能サポーター)はおそらく全国的にも先進的知識と情熱を持っています。しかしながら全県には行き届いていない現状です。
リハセンを始めとした地域の支援拠点の強い思いが自己満足で終わらぬことに期待を抱き、微力ながら尽力する所存です。
*****
・地域活動支援センター星雲相談室
https://www.taiyokai.or.jp/pages/27/