当センターでは、リハビリテーション・マインド(患者さんがその人らしく生きる)を大切にし、患者さんのリハビリを行っています。
リハビリテーションの技術は日々進歩しており、特にロボット技術を応用した治療分野は、コンピューターや科学技術の進歩とともに目覚ましい進化を遂げています。
しかしながら、患者さんを診るうえで関わる療法士は生身の人間であり、治療中にはヒトとヒトとの間に様々な身体的・精神的な相互作用が生じます。
これらの結果、患者さんが機能回復するとともに、スタッフも人間として成長する機会をいただいているという考えが私たち治療に関わる者の姿勢です。
当センターのリハビリテーション技術は多岐に亘りますが、患者さんを診るための考え方の根幹は、解剖・生理学に加えて、発生学や運動学の考え方を取り入れることを開院当初から重視してきました。
それは「人は如何にして生まれ、成長し、老いるのか」という歴史的・医学的に普遍的な事柄をこれらの領域から学び理解することで、患者さんの体と心を深く理解しリハビリを行うことを目標としているからです。
一方で、技術的核心となる部分は、運動学習理論に基づいた課題指向型アプローチ(task oriented approach)を行っております。回復期のみならず生活期においても、実生活に適応できる動作や行為を学習するためには、患者さんの状態に応じてその時その場に応じたリハビリのプログラムを立てることが重要です。
患者さんの意欲を引き出し、セラピストだけでなく多職種の能力を結集し、患者さんと共に機能回復に努めていくことが私たちの願いであり、そのための研鑽を惜しまずに日々診療しています。
機能回復療法部の理念と基本方針
理念
障がいを持った方々やその家族に対して、これまでの生活を尊重し、地域での生活の再構築に向けて最善を尽くします。
基本方針
- 患者さん本位のリハビリテーションを提供いたします。
- 各専門職種が連携、協業し、特に回復期、生活期の患者さんを支援します。
- 患者さんの住んでいる地域と積極的に連携し、活動や参加を促進することで生活の支援をします。
- 地域包括ケアシステムの概念を理解し、その構築と介護予防事業などの実践に寄与します。
- 県のリハビリテーション中核施設のスタッフとして、絶えず知識、技術の向上を目指し、研究活動など自己研鑽に努めます。
専門職スタッフ(令和4年1月現在)
スタッフ数
理学療法士34名、作業療法士26名、言語聴覚士9名、臨床心理士3名、計73名。(計73名、平均年齢 31.5歳)
出身校
岩手リハビリテーション学院、青森県立保健医療大学、秋田大学、東北メディカル学院、山形県立保健医療大学、山形医療技術専門学校、東北福祉大学、弘前大学、東北文化学園大学、札幌医大短期大学部、東北保健医療専門学校、仙台リハビリテーション専門学校、北海道医療大学、弘前医療福祉大学、新潟医療福祉大学、北海道大学など
認定資格等
- 専門理学療法士(運動器、基礎、内部障害)
- 認定理学療法士(脳卒中、運動器、脊髄障害、切断、補装具)
- 認定作業療法士
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士
- 回復期セラピストマネージャー
- 障害者スポーツ指導員
- 福祉用具プランナー
- 福祉住環境コーディネーター
- いわてアスレティックトレーナー
- いわて糖尿病療養指導士 など
専門職の仕事
理学療法科
理学療法士の主な役割
- 歩行など基本動作の再建
- 筋力や持久力、関節可動域の改善
- 装具や移動補助具の選択と検討
- 痛みや呼吸を楽にするコンディショニング
- 体操などの自主トレの助言・指導
- ご家族への介助指導 など
作業療法科
作業療法士の主な役割
- 日常生活動作の獲得(着替え・整容・トイレ・入浴など)
- 生活活動に使用できるための上肢手指の訓練
- 福祉用具の検討・選定(車いす、介助用具、自助具など)
- 生活関連動作の拡大(家事、交通機関利用、自動車運転再開準備など)
- 復職・復学への援助
- 自宅環境の検討・助言
- ご家族への介助指導
言語聴覚科
言語聴覚士の主な役割
- 生活に必要なコミュニケーション能力の獲得
- 会話・食事に必要となる呼吸・発声・発音のための発語器官の改善
- 安全な食事のための食事方法・食形態の評価・指導
- ご家族への介助指導 など
臨床心理科
(公認)臨床心理士の主な役割
- 高次脳機能障害の評価
- 認知訓練の実施
- 代償手段の検討・獲得
- ご家族へ対応方法についてのアドバイス
- 復職・復学など社会復帰への援助
- 不安や戸惑いへの支援