当センターでは、医療保険と介護保険によるリハビリを行っています。回復期では患者さんが生活する社会に戻るまで可能な限り機能回復に努めるほか、生活期に後遺症が残った場合でも安心して生活を送っていただくための療養環境を用意することを目標としています。以下にその概要を説明します。
回復期リハビリテーション
回復期リハビリテーションとは、入院のベッドを利用したリハビリです。当センターの入院ベッドは合計100床が稼動していますが、全て回復期リハビリの患者さんを受け入れるベッドとして機能しています。
急性期治療後の患者さんは、後遺症があると自宅退院や社会復帰が困難になることがあります。そのような場合に、一日でも早く目標に到達できるよう日常生活動作や家事動作、運転再開や復職などに関わる訓練を集中的に実施するのが回復期リハビリの役割です。
患者さんに必要なリハビリを提供するために、担当チームは多職種で構成し、入院初日に患者さんを診察し評価をしたうえで、退院時の目標を説明します。患者さんと目標を共有し、自主トレを含めたリハビリのプログラムを計画することで、入院生活の全てをリハビリに還元し機能回復を早めるよう努めています。
担当チームは退院までの間、日常生活動作の評価基準となるFIM(機能的自立度評価表)を用いた情報共有と目標達成に向けて会議を適宜開催し、リハビリのプログラムを変更していきます。
月1回行われる面談の際には、機能回復の状況を説明しています。身体状況に応じて安静度を拡大するほか、在宅療養が目標の場合は、外出・外泊の訓練や家屋の訪問調査、及びケア会議などを行います。病状により自宅退院が困難な場合は、転院や施設入所をおすすめする場合もあります。
また、運転再開に支障がある場合には、高次脳機能評価に加えてパソコンによる運転シミュレーターや実車による評価などを行います。一定の改善を認めた場合は、再開に向けた最終関門として免許センターの自動車運転適性検査を受けていただきます。
退院前の面談では、退院後の治療方針について説明があります。それと並行して、介護する方への介護指導、再発予防に向けた食事指導、服薬に関する指導、退院後のリハビリに関する自主トレの指導をすすめます。
代表的な回復期リハビリの流れ
外来リハビリテーション
回復期リハビリ病棟を退院した患者さんは生活期(慢性期)に移行します。当センターでは、生活期のリハビリに対応するため、計画書に基づいた医療保険による外来でのリハビリを行っていますが、介護保険制度の利用が可能な方は介護保険によるリハビリが優先されます。
通所リハビリテーション、訪問看護、訪問リハビリテーション
センター内の施設を利用して、介護保険制度による通所リハビリテーションを行っています。在宅療養中の患者さんに対しては、ご自宅の生活環境に適応したリハビリを行うため、訪問事業所による訪問看護と訪問リハビリも行っています。